ご挨拶

ご挨拶

prof長く住み着いた家を重機がグシャっと解体している様子を遠くから祈るように見ている老人の姿が目から離れません。老人は、手を合わせて祈るように目をつぶっていました。
先祖から受け継がれた思い出のたくさん詰まった家が解体されて処分されるのを見ているのがいたたまれなかったのだと思います。

日本の家屋は、長年修理を積み重ねながら保たれてきました。それが、どうして今解体しなければならないのでしょうか。一旦失ってしまうと、再生は不可能です。

大きな屋根の下で、何世代もが一緒に住み、自然と向き合いながら物をつくり、語り、食べ、生きてきた暮らし方は多くの文化を生んできました。
また、素材の特性を活かしながら緻密に組み立てられた技術と美しさは世界に誇れる建築文化でもあります。
しかし、科学により大きく発展してきた現代社会は大きな曲がり角に来ています。それは私たちが利便性を求めて、つくり上げてきた世界が、自らその世界を破壊する要因となっているという環境問題です。
これからは持続可能な世界をつくっていくことが、私たち建築に携わる者の課題となってきたと思います。

民家が現代に生き残るためには、様々な状況変化に適応していくこと、また変化してはならないことはしっかりと守ることが必要だと考えます。
伝統は変えてはならないとしたら、特殊な物を除いて民家は現代に生き残れないのではないでしょうか。今ある伝統も時代に合わせ、変化してきたものです。
民家に限らず日本の伝統様式も常に時代の状況を反映し変化してきました。時代の変化に対して一つの様式を捨て去るのでなく、変化に対応し新たな形を生み出すこと、日本の民家の優れた特徴を活かし、現代の生活に即した再生をすること、これが今私たちに与えられている使命だと思います。

一般社団法人古民家再生協会福井
代表理事 松田 沢弘

お気軽にお問い合わせください。 TEL 0778-34-0705

PAGETOP
Copyright © 一般社団法人古民家再生協会福井 All Rights Reserved.